三味線の音は良く響く。
津軽三味線は音も大きいからなおのこと。
お教室での稽古では全く気にならないが、家で三味線を練習すると思った以上に大きな音がでる。アパートやマンション住まいの方なら家で練習するのは気が引けるレベルの音である。
思えば、カラオケボックスや河川敷の橋の下で練習する人もいるわよね。
みんな練習場所に苦労していると思う。
練習の音、遠慮してない?
私の家は田舎の1軒家。
隣の家も離れているうえに、隣人のいない時間を見計らって練習するようにしている。
そんな配慮もしているので文句を言う人もいないけど、やっぱり大きな音を出すのは気が引けて遠慮気味に練習していたワケです。
音の問題は悩ましいですね。
それは3回目の稽古のときのこと。
練習してきた「津軽じょんがら節 曲弾き」を先生の前で弾くと、早速先生に注意された。
「もっと撥をビシっと力入れて弾きなさい」
「強く叩くんですか?」と私が訊くと
「夫婦喧嘩の時に旦那さんを野球のバットで叩くでしょ、そういう感じでビシっと力強くひくの」と先生がおっしゃる。
「先生、わが家はバットじゃなくて箒で叩きますけど」と言うと
「フフフ、アンタ、それ旦那さん可哀想。」とおっしゃる。
(/ω\)もちろんジョークですよ?
まぁ、そんな冗談はさておき
実際に先生が目の前で弾くのを見ていたら「ビシっと力強く弾きなさい」と注意された理由が分かった。
先生が弾くと、三味線の音も大きいけれど三味線にバチがあたる大きな音が響きます。
同じ曲でも迫力が違うのね。
ふと先生が言いました。
「練習の時、家族にうるさいって言われねぇの?」
「誰もいない時に練習してますから大丈夫です。それにしても先生、こんなに撥の音が聞こえるくらい強く弾くんですね」
「そうそう。このくらい、しっかり音を出して弾いてごらん」
YouTubeやDVDなどを見ながら練習していると音量を調節しているので、調節された音量を耳が覚えてしまい、無意識のうちに控えめに三味線を弾いてしまうという。
家で小さな音で練習するのに慣れてしまうと、普段から三味線を弾く音を小さくしてしまう。
私も遠慮して弾いていたので、自分で気が付かないうちに音が小さくなっていたらしい。
強く伸びやかな音をだすためには普段からしっかり弾きこむ必要があるのね。
練習だから、といって普段から小さな音で練習していると、力強い音を出せなくなるのだとか。
まぁ、でもガンガン弾いて近所トラブルになるのも心配だよね。(/ω\)
三味線の音がうるさい、というトラブルはきっと昔からあったんだと思う。
現に三味線には「忍び駒」という便利なグッズがある。
消音用 白象印 忍び駒(プラスティック)【三味線用】 |
これは三味線の響きを小さくする駒だそうです。
忍び駒は通常の駒より大きいのが特徴。三味線を弾くと胴に張られた皮が振動して大きな音がでますので、これで皮をしっかり押さえて振動を抑えます。
いろんな形の忍び駒が販売されていますが、こちらの白い忍び駒が最もポピュラーな形。
遠慮しながら練習しいると音が小さくなり良い音を出せなくなりますから、普段から遠慮しないで練習するために忍び駒を使うそう。
この「忍び駒」の他に、ティッシュを挟んだりする人もいるそうなので、みんなだいぶ音には苦労されているのね。
ただ、三味線は胴だけでなく全体が振動して全体から音を出す楽器。忍び駒を使ってもビックリするほど音が小さくなるわけではないみたい。
ただ、そんなに高額な駒でもないので、音を気にされている方は一度試してみてください。
一方、なんと世の中には音を大きくする駒もあるんですよ。
【オススメ】音緒コマ(ネオコマ)【メール便対応】 |
こちらは、ふだんより音を大きく響かせたいときに使うそうです。
強く響くということなので、練習の際にははずしたほうがいいかもしれません。
ライブハウスや野外での演奏が多い方に。
ただ、音の大きさは主観によるものなので、好みも分かれます。
まとめ
津軽三味線独特の力強い音色を響かせるために葉、普段の練習で遠慮しないことが一番です。
現代の住環境ではなかなか難しいけれど、思いきり練習できると良いですね。
以上、四門でした!