鉄瓶は日々の生活の中でゆっくりと表情を変えていきます。
しっとりとやわらかな鉄瓶の艶は、優しく静かな毎日の中で生まれるのです。
艶をだしたいからとゴシゴシと磨いてしまってはムラになるばかり、鉄瓶の風合いを損ねてしまいます。
そんなことをしなくとも、ちょっとした手入れで鉄瓶は美しい表情を見せてくれるようになります。
下の鉄瓶(鉄急須)は5年以上使用しています。
手のひらで撫でると、吸い付くようにしっとりとした手触りです。
こうなると愛着もひとしお。
鉄瓶は一生ものと言いますが、一生をかけて使い込んでいくだけの価値があります。
美しい艶のある鉄瓶への育てかた
買ったばかりの鉄瓶には艶がありません。
値段が高い鉄瓶なら艶があるハズ、というわけでもありません。
鋳物ですから、最初はむしろザラリとした肌が特徴といえるでしょう。
しかし、大切に使い込むうちにしっとりとした艶がでてきます。
こちらはOIGENの鉄瓶。最初はザラザラとした鋳物特有の肌触りに驚きましたが、4年近く大切に使い込んだら、やわらかな光沢がでてとても素敵になりました。
この鉄瓶はIHにもガス火にも対応したもので、デザインの美しさを使い勝手の良さはOIGENの鉄瓶ならでは。
OIGENの鉄瓶については以下のページの「鉄瓶とIH」にて詳しく紹介していますので合わせてご覧ください。
実は、このOIGENの鉄瓶を購入した時に、基本的な取り扱い説明の紙の他に、以下ような説明の紙がついてきました。
『鉄瓶が熱いうちに布巾にお茶を含ませて
かるく叩くように鉄瓶の外側を拭きます。
そうすると鉄瓶独特のしっとりとした風合いがでます』
この説明を読んで以来、私の鉄瓶の手入れは「使った後にお茶で拭く」だけになりました。
たったこれだけ、毎日の簡単なひと手間を続けることで、しっとりと美しい風合いの鉄瓶に育てることができますから試してみてください。
簡単な手入れで鉄瓶はもっと美しくなる
コツはお茶で濡らした布巾で熱い鉄瓶を拭くだけ。それだけです。
基本的にお茶というのは「でがらし」で構いません。
お湯を沸かした後の熱い鉄瓶に、お茶を含ませた布巾を軽くあてるように拭きます。
鉄瓶が熱いのでお茶で濡れた布巾をあてると「ジュージュー」と音をたてます。
鉄瓶があまりに熱いと布巾が焦げたりしますからリネンとかのオシャレな布巾では、少々もったいない。もう使わないような古い布巾で十分です。
当時の私の主観に基づいた感想ではありますが
私の場合、1日1回、2週間ほど続けると、鉄瓶の肌は少し黒さが増したように思いました。
気のせいか鉄瓶の側面についたススも気にならなくなってきます。
鉄瓶自体は「艶々した黒光り」ではなくて、どちらかと言えばしっとり濡れたような深い漆黒の肌になったように感じました。
お茶に含まれるタンニンは鉄分と結びつくと黒くなるそうなので、おそらく、そういう現象が鉄瓶の肌で起きているのでしょう。
そして毎日使う・鉄瓶に触ることで鉄瓶の肌が少しずつなめらかになり、気が付くと漆黒の肌にやわらかな艶がでてくるのです。
この「艶」自体も「ツヤツヤピカピカ」というわけではなく、鉄瓶の肌特有の優しくやわらかな艶なのですね。
大切に育ててきた鉄瓶は、静かで品が良くて、大人が毎日使うのに相応しい美しい存在感を放ちます。
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鉄瓶をお茶で拭くときの注意
鉄瓶はお湯を沸かした後、熱いうちに拭きます。やけどしないように気を付けてくださいね。
拭く際には優しく叩く・もしくは布巾をあてるように拭いてください。
ゴシゴシこすると鉄瓶の肌の風合いを損ねます。
素材の特性上、ゴシゴシ磨いてもツヤツヤピカピカになるわけではありません。
鉄瓶にお茶殻が付いてしまうこともあります。放っておくと湿気を帯びて錆びてしまうこともありますから、そういった場合は乾いた布巾でなでてお茶殻を落としてください。
お茶殻がついたまま火にかけてはいけません。焦げ付いて鉄瓶の肌が汚くなります。
冷めた鉄瓶をお茶で濡らした布巾で拭いた場合は、お茶で濡れたまま乾かない時もあります。こういった場合も錆が出てきてしまう心配がありますので、鉄瓶の肌がすぐ乾くように必ず鉄瓶が熱いうちに拭いてくださいね。
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まとめ
鉄瓶独特の美しい風合いと艶は、本当に簡単な毎日の手入れから生まれます。
毎日丁寧に使い込んで、あなただけのしっとりやわらかな艶のある鉄瓶に育ててください。
以上、四門が鉄瓶の育て方のコツについてご紹介しました。