三味線の胴は太鼓のように皮が張ってあって、撥で弦を弾けば同時に太鼓も叩く。音を奏でながらリズムを刻む。
三味線は、弦楽器要素と打楽器要素が入り混じった不思議な楽器だと思う。
小さい頃、三味線はネコの皮を使うと教わったように記憶している。
いや、もちろんネコの皮を使用する三味線もあるが、皆さんもご存知のように津軽では一般的に犬皮(けんぴ)を使うのだそうな。
イヌの皮でないと津軽独特のダイナミックな演奏には耐えられないらしい。
津軽を習うまでそんなことは全く知らなかった。
三味線の世界は深い。
三味線の皮 合皮と犬皮
三味線に張る皮は犬皮。「けんぴ」と言うらしい。
ちなみに最近の情報では犬皮の他にカンガルーの皮を使うこともあるらしい。『本皮』と表示されている三味線でも犬皮を使用しているとは限らないということですね。
犬皮とカンガルーの皮と、どちらの音が良いんでしょうか。まぁ、どちらも輸入品なのでお高いんでしょうね。
一方、私のお借りしている花梨の三味線は初心者の常として合皮(人工皮)が張られている。
皮が違えば音が違う。
ネコの皮の三味線は繊細な音だし
イヌの皮の三味線は張りのある音を出せるし
合皮も初心者には十分な音が出る。
もちろん先生の三味線(犬皮)に比べたら合皮の音は「それなりの音」でしかないかもしれないが、正直、聴き比べなければ私のような初心者には音の違いはわからない。
と思ったらわかり易い弾き比べ、YouTubeで見つけた。
ああ、やっぱり三味線によって音の響きはかなり違いますね。
私は画像で見ただけで実際に直接聞き比べたわけではありませんが、たぶん犬皮のほうが良い音なんでしょう。
もしくは津軽三味線の常識として、犬皮のほうが「良い音」、犬皮が「基本の音」とされているのでしょう。
( ゚Д゚)しかし私は個別に聞けばどれもこれもいい音に聞こえてしまう安い人間なので、趣味の三味線は人工皮で十分だという確信を得ましたよ
犬皮と合皮。
獅子道さんの「弾き比べ」を見た個人の感想としては
上手な人が弾けばどんな楽器もいい音がするような気がします。
( ゚Д゚)間違いない
そもそもネット画像の音質は実際に聞く音とは全く違うので、感想は『聴き比べるとやっぱり違うな、参考になるな』程度でいいんですよ。
ネットなんかで適当に音を聞き比べた挙句に「安い三味線は雑音が・・・」なんて知ったようなことを言う人の耳は、所詮あてにならない。
( ゚Д゚)妬みを含んだ個人的感想です
以前、私が三味線を買うとしたら花梨がいいか紅木がいいか、先生に尋ねたことがあるんですが
そのとき胴に張る皮についても
「もし私が三味線を買うなら胴は合皮を貼ろうと思うんですが、問題ありませんか?」と先生に尋ねています。
私の先生曰く
「ウンウン、今は合皮のほうが良いね。
梅雨の心配もあるし湿気ると皮が破れてしまうから、最初は合皮にしておいて。
必要になってから犬皮に張り替えればいいと思うよ。」
ということで、
いつか犬皮が本当に必要になるかどうかはわかりませんが、今の私は合皮で良いそうですよ。
津軽三味線入門セット(東サワリ付・花梨延棹・合成皮張り) |
では、合皮の良さとは何でしょうか。
- 湿気に左右されず、自然に破れない(破れにくい)ので安心
- 保存に特別な手入れを必要としない
自然に破れる心配が無いというのは、思わぬ皮の破れによる張替えの出費が無いということなのですね。
皮の張り替えは片面で3万円以上することも多いですから、上手でもない私のような初心者の主婦が犬皮に手をだすのは経済面でも負担が大きいです。
しかも皮にはランクがあるので、上には上があるようです。
【三味線・皮張り替え】津軽三味線 両面(特上)犬皮・張替え |
加えて今の時代、人工皮革の質が上がりさえすれば天然皮にこだわらなくてもいいような気もする。今後も犬皮はゆっくりと値上がりするだろうし、動物保護の観点からも手に入りにくくなる時代がそのうちくる。
そもそも
「やっぱり合皮はちょっと・・・本物は違うわ」なんて言いつつ、プロが弾けば極上の犬皮に聞こえてしまう私のようなポンコツの耳を持った人は意外に多いんじゃないかと。
( ゚Д゚)絶対いるわよ
まぁ、でも良い三味線で弾けば「腕が上がったと錯覚するほどいい音が出る」とも言いますし、そういう三味線を弾いている方は良い音を聞き分けることもできるのでしょうね。
( ゚Д゚)カネがあればね
三味線にも、目に見える経済格差がそこにあります。
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以上、四門でした!